初恋は叶わない
さっきまでの緊張から解放されて、

半分ほっとしながら、

『あともう少しあのままでいたら、

どうなってたのかな?』とか、考えてみたり。

どうにもなるわけないと思うけど。

こういうの慣れてないから、

うまく切り替えられなくて、

絶対、断じて、そういうキャラじゃないはずなのに、

何もかも、自意識過剰な方向に考えて。

もう、こんなの、思考回路がどうかしちゃったとしか思えない。

一度に色んなことがありすぎるせいだ、きっと。

経験値ゼロの私には、いきなり難易度高すぎっていうか、

容量オーバーっていうの?

気がつけば、ココロもカラダもコワイくらい恋愛モード全開で、

恋する乙女の心の中って、24時間こんな感じなのかな?

だとしたら、みんなスゴイなー。

尊敬しちゃうよ。

だってこんなのずっと続いたら、心臓もたないし、

とにかく疲れる。


残り少ないペットボトルのアイスティーをグっと飲みほすと、

いよいよクライマックスを迎えた花火が、

立て続けにひゅるひゅると上がり、

いくつも重り合っては次々に開くと、

怖いくらいに空を覆っていく。

手を伸ばしたら届きそうなほど降り注いで、

その迫力に息を呑んだ。

本当にきれいで、

『連れてきてもらってよかった』って、

感謝の気持ちが自然と湧いてきて。

気づいたら、

「ありがとう」って、

独り言みたいに呟いていた。

『そばにいてくれてよかった』

って意味の感謝もあったし。

早川は聞こえなかったのか、

黙ったままだったけど、

私にはその方がありがたかった。
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