わたしの意地悪な弟
 そのあと、利香たちとも合流した。

 利香も亜子も私服で、浴衣を着てきたわたし達を見て目を見張る。

「千波、可愛い」

「ありがとう」

「その子が日和ちゃん? 噂通り綺麗な子だね」

 日和は亜子の言葉に苦笑いを浮かべている。

 日和も亜子も人見知りはしないため、あっという間に打ち解け、他愛ない話をしていた。

 その後、半田君たちと合流する。半田君がこちらを見ると、樹は軽く頭を下げていた。

 半田君がこっちに来ようとしたが、そのとき再び花火が空に舞う。

 周囲の視線が空に集中しているとき、樹がわたしの手を引いた。

 わたしは彼の行動に驚きながらも、はぐれないように彼の手をしっかりと握る。

「あとで合流しようね」

 わたしが日和たちのそばを離れる前にそんな言葉が届く。

 驚き振り返ると利香と日和がこちらを見て手を振っていた。

 彼は少し離れたところで足を止めた。

 そこは人気が少なく、さっきより花火が見やすい。
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