わたしの意地悪な弟
授業が終わると樹と待ち合わせをしている昇降口に向かう。だが、階段をおり、昇降口にたどり着いたわたしの足は自ずと止まる。
わたしの視界には樹と佐々木さんの姿があったのだ。
一緒にいる二人は、その場だけスポットライトが当たったように輝いて見えた。
美男美女ってここまで映えるんだと今更ながらに感じるほどに。だが、彼への気持ちを過去にできていないわたしにとっては、今の状況が辛すぎる。
そして、今朝あんな告白をして笑っているのなら、樹は前向きな返事をしたのだろう。
その時、樹と目が合う。
わたしは目を逸らすと、靴を履き替え、そのまま昇降口から外に出た。
走り出そうとしたわたしは急に腕をつかまれた。
振り返ると、怪訝な顔をした樹が立っていた。
「目が合ったのに、何で逃げるんだよ」
「仲が良さそうだったから、邪魔したら悪いでしょう」
「仲がいいって」
苦い表情を浮かべた樹を心の中であざ笑う。
「今朝、告白されていたよね」
わたしは精一杯明るい声をでそう告げる。
わたしの視界には樹と佐々木さんの姿があったのだ。
一緒にいる二人は、その場だけスポットライトが当たったように輝いて見えた。
美男美女ってここまで映えるんだと今更ながらに感じるほどに。だが、彼への気持ちを過去にできていないわたしにとっては、今の状況が辛すぎる。
そして、今朝あんな告白をして笑っているのなら、樹は前向きな返事をしたのだろう。
その時、樹と目が合う。
わたしは目を逸らすと、靴を履き替え、そのまま昇降口から外に出た。
走り出そうとしたわたしは急に腕をつかまれた。
振り返ると、怪訝な顔をした樹が立っていた。
「目が合ったのに、何で逃げるんだよ」
「仲が良さそうだったから、邪魔したら悪いでしょう」
「仲がいいって」
苦い表情を浮かべた樹を心の中であざ笑う。
「今朝、告白されていたよね」
わたしは精一杯明るい声をでそう告げる。