社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
「でも、私は営業時代そんなに食べてなかったわよ」
すかさずつっこんだ貴和子さんに頭をかいて答える。
「まぁいいじゃないですか。食べたぶん、働いているんですから」
我が社でも営業職の女性というのは何人かいるが、そう数は多くない。正直ハードスケジュールをこなさなくてはいけないので、相当の信念がないと難しいのだ。
汐里さんは外回りも多い。貴和子さんも総合職で多忙を極めており、決まった時間に食事が取れないこともある。
けれど、三人時間を合わせて月に二・三度、ランチを一緒にするのが昨年からの習慣になっていた。
立場の違う三人だったが……いや立場が違うからこそ、私はこの馬の合うふたりの先輩と行動をともにすることが多かった。
あれこれ話ながら歩いていると、あっという間にお店についた。私たちが連れ立って中に入ると「いらっしゃい! あっちの四人テーブルが空いてるよ」とエプロン姿のおばちゃんの元気な声が聞こえてきた。
貴和子さんと私が並んで座り、向かいの席に汐里さんが座った。席に着くと、手書きのホワイトボードのメニューを確認した。
「今日の日替わりはチキン南蛮か……私はそれにします。デザートもつけてください」
「じゃあ、私もそれで。ごはん多めにしてください」
汐里さんも同じメニューを頼んだ。いつもどおりごはん多めで。