社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~

実際に他の課の営業事務の人たちはそのように仕事をしていて、それが一概に悪いわけではない。

しかし衣川課長が上司として配属されてからは一変した。

それは最初の面談のときに自分が希望したのだが、予想以上だった。

商品知識、顧客の担当の名前や好み、訪問しやすい時間やアポが取りやすい時間、現在の使用状況など、本来なら営業担当のみが知っているようなことも覚えるように言われた。

担当の営業が留守のときに応対をするのは、私自身なのだからきちんと把握しておくようにというのが主な理由だ。

一番大変だったのは現行のシステムだけではなく、顧客が利用している過去のシステムや機種まで把握すること。

去年一年はわからないことばかりで、アタフタしながらときには涙目で過ごし衣川課長にはかなり叱られたけれど、必ずしっかりとわからないことは教えてくれた。フォローも数えないほどしてくれた。だからこそ、今年になって仕事がもっと楽しくなってきている。

「でもおかげで自分の仕事に自信が持てるようになりました。今、一番仕事が楽しいですから」

「おっ! 燃えてるね〜」

「汐里さんったら、からかわないでください」
「でも、本当に最近の河原さん、楽しそうだもの。衣川くんが上司になったって聞いてちょっと心配したんだけどね。彼、あんな感じでしょ?」

「あんな感じって……」

「鉄仮面!」

汐里さんがすかさず突っ込む。
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