社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
「ごめん、ちょっと私やらなきゃいけないこと思い出したから、先に行くね。これ払っておいて」
「汐里さん……」
私に代金を預けると、さっさと店を出てしまった。いつもなら綺麗になくなる定食はまだ三分の一ほど残っている。
「なんだ、あいつ。飯くらいちゃんと食えばいいのに——痛っ。ちょっと、蓮井さん足蹴らないでくださいよ」
「バカ」
「なっ! なんで今それ言われなきゃいけないんですか」
貴和子さんは成瀬さんを睨んでいる。美人の怒った顔は怖い。
「いいから黙って食べなさい」
不満顔の成瀬さんだったが、そのままバクバクと勢いよく食べてると、店の外に出ていった。
「本当にどうしてあのふたりは、いつもああなんだろうね」
「そうですね……」
近すぎても気がつかないってことだろうか。私たちからみればこんなにわかりやすいことってないのに。
「さぁ、私たちもそろそろ行きましょう」
貴和子さんに言われて、私も店を後にした。