社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
ごはんもお風呂も洗濯もぜーんぶやってもらって仕事に集中できる実家暮らしはありがたい。この母親の“口撃”さえなければ。
「ねぇ、聞いてるの?」
「うん。聞いてるし、人生もそこそこ楽しんでるよ」
「そう? お母さんはアンタの歳にはお父さんと結婚して……」
何度も聞いたセリフが繰り返された。
「母さん、朔乃は今、仕事頑張ってるんだからそれでいいじゃないか。結婚なんていつでも出来るだろう。なぁ? 朔乃」
「……うん」
彼氏さえいない娘がそんな簡単に結婚できると思っているのが、不思議で仕方ないがとりあえず頷いておく。
「ごちそうさま」
最後のほうはかきこむようにして食べて、食器を片付けた。
母からの追撃を逃れるように、私は食事を終わらせ部屋へと駆け込んだ。
「あ〜お腹いっぱい」
バッグを床に置くと、そのままベッドへとゴロンと横になった。食べてすぐ横になると……なんて話があるけれど、私にとってはこれが至福のときなのだ。
「今日もよく頑張った〜」
一日中バタバタと動きまわった一日だった。疲れていたけれど心地よい疲れだった。少しだけ目をつむって、深呼吸した。
母の小言が蘇ってきた。別に気にするような話じゃないとは思っているがなんとなく頭から離れない。