社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
「彼氏かぁ……」
つぶやくと、閉じた瞼の裏になぜだか衣川課長の笑顔が思い浮かんだ。
「え?」
ガバッと起き上がり、頭を振って瞼の裏の映像を追い出す。
「な、なんで衣川課長の顔が思い浮かぶの?」
確かに上司としては尊敬できる。けれど厳しくて無表情な上司を恋愛対象にみたことなど一度もなかった……はずなのに。
どうしたんだろう。きっとあの反則の笑顔のせいだ。あれが幻想を抱かせているのに違いない。
「お風呂に入って、早く寝よう」
立ち上がり着替えを持って、バスルームへと向かう。明日もきっと忙しい。変なことを考える暇があるなら、明日の準備をしてさっさと眠ったほうがいい。
そうは思うものの、その日なかなかあの笑顔が頭から離れなかった。