社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
「実は、急に担当が変わったことを気にしていたんです。たしかに若林くんも大変よくやってくれているけれど、やっぱり以前の担当者ほど、うちのことを分かってくれてるわけじゃないから」

「おっしゃる通りです」

契約寸前だったのだから無理もない。

「ですが、今日もこうやってわざわざ説明においでてくれた。あなたのサポートも十分得られているようだし、なにかあっても安心ね。これからもよろしくお願いしますね」

「はい。ありがとうございます」

理事長が契約書に印鑑を押すのを見て、安堵と喜びが胸に渦巻いた。

決して自分の数字にはならない。けれど、チームとして貢献することができた。それに、私がこんなに頼りにされていることがわかって、自信もついた。

その後、納品日時などを担当者と話を詰めて聖学園を出たのは十九時半を回っていた。

車に乗りこむと一旦聖学園から出た。そして一番近いコンビニの駐車場に車を停めるとすぐに若林くんが会社に契約締結の連絡を入れた。

「佐山課長、上機嫌でした」

電話を切った若林くんが肩をすくめた。

「そりゃそうでしょうね。大口契約だもん。おめでとう若林くん」

「ありがとうございます。でも半分以上は滝本さんのお手柄です。きちんと信頼関係を築いてくれていたからスムーズに商談がすすみました。あ、俺ちょっと買い物してきます」
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