今夜、君にラブロマンスをささげよう。

 わたしだって恐れ多くて叩けるわけもなく――。


 だからわたしは志月先輩とお付き合いをしなければならないわけで……。


 災難なのは志月先輩だ。


 学園長の孫として、彼はこの風習を守らなければいけないし、こんなチビで寸胴。しかも運動神経もへったくれもない彼女を持たなければいけない。


 それなのに、彼はやっぱり優しかった。


 だって彼が言った最初の言葉は、「七瀬さんには好きな人はいる?」だって。


 顔だけじゃなくて性格さえもいいなんて、本当に彼はどこまでパーフェクトなんだろう。


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