フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
「…薫、ご飯食べに行こう?」
「…今、仕事中だから行きません」

桜子の誘いを、薫はきっぱり断る。でも、桜子も負けてはいない。

「…じゃあ、ローズヒップティー淹れて」

駄々をこねる桜子は、薫は子供にしか見えない。桜子は、根っからのお嬢様育ちで、小さい頃から自分の思うままにしてきた。

…薫だって、同じ事。桜子は、薫を自分の思うままにしたいのだ。優しくて、イケメンで、非の打ち所がない薫が欲しくて欲しくて堪らない。

だが、薫は、他の人達とはまるで違う。桜子の思うままに動かない。欲しい言葉も言ってくれない。

でもだからこそ、薫が自分のモノになればいいと、桜子は躍起になっていた。

「…困った人ですね。…飲んだら帰ってくださいね?仕事に集中出来ないので」

そう言って溜息をつくと、薫は立ち上がり、ローズヒップティーを淹れて、桜子の前のテーブルに置いた。

桜子は、薫が淹れてくれるローズヒップティーや、ハーブティーが大好きだ。

帰れと言われているから、桜子はそれをゆっくり、ゆっくり飲んでいく。

…だが、ティーカップは小さいので、どんなにゆっくり飲んでも、直ぐに無くなってしまう。

桜子は、渋々カップを置くと、薫を見つめた。

「…どうして私との縁談を断るの?」
「…桜子さんのお守りは大変そうなので」

「…好きな人がいるから?」
「…今、言ったことが、縁談を断った理由です」

薫が答えを曲げないので、桜子は口を膨らませる。

「…ウソつき」
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