フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
専務室からオフィスに戻ると、デスクに置いていたスマホが光っていた。

相手はもちろん薫。かすみは、薫にLINEをすると、間もなくして迎えが来た。

荷物を取りに行くには車が一番だと言う薫の厚意に甘えて、共にかすみの家に向かう。

家に着き、庭に目をやったかすみはハッとする。…庭には、毎日手入れをしなければならない花達がたくさんある。

父一人に任せると、枯らしてしまいそうだ。…困っていると、薫がかすみの横に立った。

「…かすみさん、どうかした?」
「…え?ぁ…これ、どうしようかと思って」

プランターを指差したかすみに、薫が微笑む。

「うちに持って行ったらどうですか?これくらいなら、世話をするのも、今と変わらないですし。かすみさんも、花達が近くにいる方が、お母さんを思い出せるでしょう?」

「…薫」

「…ダメだ。それは、私が世話をする。この庭から持ち出す事は許さない」

その言葉に驚いて、かすみと薫は振り返った。

「…お父さん」
「…かすみ、お前は何処に行くつもりだ?」

「…」

『同棲する』と言ったら、父は怒るかもしれない。かすみは口を真一文字に結んで、父を見た。

「…初めまして。今、かすみさんとお付き合いさせていただいています、西園薫と言います。突然で、驚かれると思いますが、今日から、かすみさんと私の家で一緒に暮らそうという事になりまして、荷物を取りに来ました」

薫の言葉に、当然、父は不機嫌に顔を歪めた。
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