バウンス・ベイビー!


 何故ならバランスが崩れたからだ。シンプルにさらーっと書いていたキスシーンが充実してしまい、ますます「そして次の朝」へと飛ばすことが出来なくなってしまったからだった。

 毎晩うんうん悩んで書き、それが気に入らずに削除する。そんなことを2週間もやっていた。ああああ~・・・どうしよう。書けない。私には、エッチシーンが書けない!そう嘆いて頭を枕で叩いていたこともあったけれど、とにかく落ち着こう!そう決めてからは、パソコンを開けなかったのだ。だってパソコン開けると焦るんだもの。

 でももうそろそろ、読んでくれている読者さんから、ぽつぽつとコメントを頂いている。

「続きを楽しみに待ってます」的なコメントを!それも一度公開していた場所だから、「あれはどこへ消えたんですか?結末で悩んでいるんですか?」と書き込みを見た時には申し訳なくて、見えないと判っていても土下座したものだ。

 すみません~待っていただいてるのですねぇ~!!って、ほぼ泣き掛けながら。

 でも返事に書けないでしょ、私は未体験なもので書けないんです、などとは。あうあう。

「でも、やるのよ!」

 自分でそう掛け声をかけて、私は手をぽきぽきと鳴らす。登場人物だって可哀想だ。あのまま放置するのは、やっぱり私の精神衛生上もよくないに違いない。

 書こう!とにかくバランスを考えて、心理描写もたくさん入れればカバーできるかもしれないし。そう思っていた。別に何も具体的に書けばいいってもんじゃないんだし!色気漂う文章ってやつを目指せばいいんじゃない!?なんて、最後にはキレ気味に思ったりもして。

 綺麗になった部屋の中、髪の毛をぐるぐるにまとめたお団子ヘアーで気合を入れる。

 それから無駄に力をいれて、人差し指でパソコンの電源ボタンを押した。


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