鋼鉄の翼―ゾフィエル
上下左右から、破壊の矛先が肉薄する。

ィィィィィィ――

回避していては、せっかく追い付いた意味がない。

ィィィィィィ――

今またヤツから引き離されたら、それこそ、ヤツにピュラクスへ向かわせるチャンスを与えてしまう。

上昇?

降下?

右か、左か?

否!!

「超えろ、〝ゾフィエル〟!!」

目の前、ヤツへの直線ルートに、光線はない!!

刹那、


ィィィィィィ――

ィィィィ――


ィィ――

――









――、――


――――――!!

「     !!」








なにも、聞こえなくなった。

分厚く堅い、見えないなにかを突き破った衝撃が、鎧を震わせた。

音もなく、光もなく。







――――――








超音速を、踏破する。








私は、まばたきも許されない速度の末、モンストルを追い抜いていた。

自身そのものを弾丸に、ヤツの体を突き抜けて。
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