ドラマ好きの何が悪い
そんなハルカをよそに、カイトはマイペースな感じで店員を呼び、自分のビールを頼んだ。

「俺、お腹減ってるんだけど、何か頼んでいい?」

「いいよ。食べたいもの食べて。」

カイトは手際よく、ビールに合うつまみを3点ほど頼んだ。

店員が立ち去ると、カイトは私の方に体を向けた。

「でさ、このハルカちゃんとお前はどういう関係なわけ?」

ハルカを紹介しろってことね。

「最初はなんだったっけなぁ。多分仕事の関係で、ちょくちょくハルカの部署に顔出すようになって、ちょこちょこしゃべるようになって、親しくなっていったんだよね。」

カイトはハルカにチラッと視線を向ける。

「はい、そうです。それからミナミ先輩にはずっとかわいがってもらってます。」

「へー、ミナミ先輩だって。」

カイトはからかうような顔で私を見て笑った。

「私のこと、ミナミ先輩ってハルカは呼ぶけど、ほんと先輩とは思ってないくらいくだけた関係だから。」

私も笑ってハルカをちらっと見た。

「いえ、尊敬してますよぉ。」

ハルカも笑顔で返す。

「ふぅん。」

カイトはにやにやしながら私の顔を見ている。

「ハルカちゃん、こんなマシュマロマンみたいな奴と親しくしてやってくれてありがとね。」

「マシュマロマン?」

ハルカはきょとんとした目で私の顔を見た。

そういえば、シュンキがうちに来た時そんな話してたっけ。

結局意味不明だけど。

私はカイトからプイと横を向いた。
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