社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
「報奨金の件だけど、担当の社員が明後日から休みを取るみたいなんだ。だから急がせて悪いけど、今日中に仕上げて私のところまで転送してくれるかい?」

「はい、一件確認する箇所があるので、それが終わり次第データをお送りします」

もう少し時間があると思っていたのに、早めに準備しておいてよかった。そうでなければ焦って仕事を進めなくてはいけないところだった。

私は安心して胸をなでおろした。

「さすが、仕事が早いね。ここにきてまだ一年も経ってないなんて思えないよ」

「たまたま、前倒しで進めていただけですから」

私は頭を下げて、自分のデスクへと戻る。

さて、合田さんからの返事を待っている間に他の仕事を片付けないと……。

デスクの上に広げた、愛用の手帳の作業リストを見て優先順位をつけた。

自分の作業に取り掛かろうと、サーバー内のデータを探していると、三木さんのデスクの電話が鳴っている。しかし彼女は離席中だ。

「営業企画部、蓮井です」

『あ、蓮井? 衣川だけど』

ほんの一瞬戸惑いが感じられたが、すぐにいつも通りの彼の声になった。

「お疲れ様です」

電話の相手がよく知った人物だったので、私は幾分肩の力が抜けた。

マウスでパソコンを操作しながら、電話の内容に耳を傾けた。
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