社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
『蓮井が電話に出たってことは、三木さんいないのか?』

「三木さんは席外してますね。急ぎですか?」

『あぁ、実は彼女に問い合わせしてた件なんだけど』

「私でわかることなら、調べるけど」

急ぎじゃなければ、こうやってわざわざ向うから電話をかけてくることはないだろう。私はマウスからボールペンに持ち替えてメモをとる準備をした。

『そうか、実は旧製品の販売値引き率の施策についてなんだけど二台目の値引き率についての件なんだけど……』

確か新製品の発表に伴い、先日出された施策だ。

内容を詳しく聞いて、折り返しにした。自分では判断つきかねるところだ。

私は一度電話を置くと、立ちあがって山崎部長のところへと向かった。

「山崎部長、今お時間よろしいでしょうか?」

「あぁ、どうかしたか?」

それまでパソコンに向かっていた視線を、私に向けて話を聞いてくれる。

「実は先ほど、営業一課の衣川課長から問い合わせがありまして、先月発表された旧製品の営業施策の件ですが、二台目以降の割引率について過去の事例のような記載がないとの問いわせがありました」

私の話を聞いて、困ったように眉間に皺を寄せた。

「うーん。そうだなぁ。前回のときは確かあまり売れ行がよくなくて施策を後で追加したんだ」

確かにそうだ。去年の今頃のことだ。営業現場にいた私も覚えている。
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