仲間ってなんだろう
「あはは、勘違いしちゃってる。」
沙羅は苦笑いを浮かべた。
「戻って来たわけじゃないんだけどなぁ。」
その言葉を聞いて春樹はため息をついた。
春樹の希望は元のStarlightに戻ること。
沙羅と美那と自分の3人で、初めてStarlightだと思いたかった。
だけどそれが実現しない理想なことぐらい、春樹も十分分かっていた。
沙羅はStarlightに戻ってくるつもりはない。
そんなこと見ていれば分かったし、美那がそんな簡単に受け入れられるとも思っていなかった。
「まあもうちょっとで発表されるんだから、そしたら誤解も解けるよ。」
そう言うのが今の春樹には精一杯だった。
「うん。そうだね。」
「おーーい!さ~ら~?」
沙羅が頷いたとき、規制線の向こうからそんな声が聞こえてきてその場にいた全員が振り返った。
その方向に一気に視線が集まった。
そこには仁と正樹がいた。
「仁さん!?マサさんも……!」
仁は沙羅に見えるようにピョンピョン飛んでいるし、長袖を着ている正樹はもう諦めたように仁を止めることもしなかった。
沙羅はそんな2人に慌てて走り寄った。
沙羅が規制線に近づいてきたせいで悲鳴に近い歓声が起こる。
「沙羅ーー!こっち見て~!!」
「あの2人何者!?」
沙羅は規制線の向こうから仁と正樹の2人を中に引っ張り入れた。
「何、どうしたの?」
「いやそれがね、先輩が見に行こうって聞かなくて……」
「いいじゃないかよぉ!俺、このドラマの発案者!」
「知りませんよ。それよりじっとしてることをいい加減覚えてくださいよ。」