仲間ってなんだろう

「何笑ってるの?」




美那が不思議そうに首を傾げたのを見て春樹は笑顔のまま首を振った。




「いや、懐かしいなと思って。」




「ほんと懐かしい!」




沙羅も笑顔で頷いてまた舞台を見た。




「ねえ、出番って次の次だよね?」




春樹と美那が頷くと沙羅は少し申し訳なさそうに笑った。




「ちょっと緊張して喉乾いちゃった。

急いで水飲んでくるね。すぐ帰ってくるから。」




2人が返事する前に沙羅はさっさとその場を立ち去ってしまった。



それには春樹と美那の両方が不思議そうな顔をした。




「珍しい。緊張したなんて言うなんて。」




美那の言葉に春樹は首を傾げた。



一瞬、沙羅は正樹と仁に会いに行ったのかと思ったがそれはなかった。




あの2人は数年ぶりにStarlightが3人でテレビに出演するというので他の記者達とスタンバイしているはずだった。




そこに沙羅が出て行くのはさすがにないだろう。



春樹が考え込んでいると、美那が少し春樹の袖を引っ張った。




「……ねえ、春樹。」




「ん?どうした?」




春樹が振り向くと美那は顔を真っ赤にして俯いた。




「え?とか言わないでね。返事もしないで。

しなくても春樹の言いたいことは分かってるから。」




「え?まあ、いいけど……」




そんな春樹の言葉を聞いて美那はぐっと背伸びをした。



それは自分より背の高い春樹に顔を近づけようとしたからだった。




(春樹がね、好き。)




耳から離れていった温もりに春樹は目を見開いて美那を見た。





< 81 / 86 >

この作品をシェア

pagetop