Christmas Rose

食事を終えてアリスは執務室へと向かった。


朝寝坊してしまった分、午後はマグに勉強を教えてもらおう。

今日からアリスは正真正銘この国の王妃だ。

まだまだ覚えなければならない事が沢山ある。


「マグ、入るわね。」


マグは羽パンを置き本を閉じた。


「アリス様、今日くらいお勉強はお休みでも。」

本を抱えてやって来たアリスを見てマグは言った。

「いいえ。今日からもっと沢山勉強しなければいけないわ。容赦しないで、マグ。」

アリスの言葉にマグはクスッと微笑んだ。


「かしこまりました。でも今日はまず、今後の王妃様としての公務のお話をさせて下さい。」


マグは羊皮紙を一枚差し出した。

1ヶ月のスケジュールがびっちり記されている。


「王妃様というお立場上、出席しなくてはならない公務が増えます。スケジュールは全て私が管理しております。また、毎週火曜の朝、謁見にご出席下さい。国民と王家が繋がる大切な公務です。」


「分かったわ。出来る事はやるつもりよ。」


スケジュールを見ると、王太子妃の時に比べて随分と公務が増えていた。

しかし、部屋でサロンを開いたり音楽会に出席するよりアリスは公務に出ている方が得意だ。

明日からは早速、朝の謁見がある。

遥々遠くの地方からやって来る国民もいるのだ。

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