年下わんこに要注意
「……はるくん……」
ぎゅっと抱きしめられたままの腕に触る。
「ゆいちゃん、起きたの…?」
彼も眠そうに片目を開けて私を確認していた。
そのまま顔中にキスをされる。
こうやって甘やかすから私の心が乱されるのだ。
「…ねぇ、俺との結婚は考えてくれた?」
「はるくん、本気なの…?」
「本気だよ。いつも言ってるのに。どうしてゆいちゃんは信じてくれないのか分からない。」
「…だって、はるくんならもっと選り取りみどりで、若くて可愛い子とか、もっと遊びたい盛りだろうし……」
「……ゆいちゃん、俺をなんだと思ってるの。」
彼は呆れたように溜息をついた。
「俺が"ゆいちゃんが良い"って言ってるのに。それをそのままの意味で受け取って。それからゆいちゃんの返事を聞きたい。」
「…でも、どうして私なのか分からないし……」
「好きな事に理由なんているの?気付いたら好きになってた。いつも目で追ってたよ。ゆいちゃんのこと。」
「……どうして…?いつから?」
「入社して、ゆいちゃんと関わるようになってから。いい子なんだろうなってずっと思ってた。ゆいちゃんといるとすごく癒される。ずっと一緒にいたい。」
「……私、そんなにいい子じゃないよ?ご飯もほとんどはるくんが作ってくれてるし、私が癒してあげてることってあるの…?」
「…ゆいちゃんの存在そのものが癒しなの。俺の隣に居てくれるだけでいい。だから、そろそろ認めてよ。」
「…でも……」
「…まだ口答えするの?ゆいちゃんも俺の事好きだよね?何の問題があるの?」