強気な彼から逃げられません
楽しいお酒を飲み、そしておいしい料理に舌鼓をうち、おまけに途中参加の男の子もなかなか見た目麗しいとくれば、美絵をはじめとして皆のテンションは上がりきってしまった。
その中でも卯月さんは最強で。
「卯月、飲み過ぎ。家に連れて帰るのは、誰だ?」
「えー? 愁だよ。他に誰がいるのよ」
「わかってるなら、酒はちゃんと歩ける程度にしとけよ。いくら惚れてる嫁さんだとはいっても酔っ払いを抱えてタクシーに乗り込むなんて面倒だ」
「大丈夫大丈夫。今日は楽しいお酒だから、酔わない酔わない」
ひゃはは、と柔らかく笑って、隣の席で苦笑している愁さんの腕にしがみついている。
その赤くなった頬からは必要以上の色気すら漂っていて。
「愁、一緒に帰ろうねー」
すりすりと愁さんの腕に頬ずりまで。
美人さんに色気が加わると、こんなに無敵になるんだと、じっと見入ってしまう。
愁さんも、口では「いい加減にしろ」と言いながらも、その目はとろけそうで、卯月さんに骨抜きにされているとわかる。
そのことを自覚しているに違いない卯月さんも、愁さんに何もかもを預けているように、安心感いっぱいで酔っぱらっている。
そんなふたりを見ていると、怜さんとも親しいらしい卯月さんに、ほんの少しの羨ましさを感じてしまう。
そして、ここにいない怜さんに会いたくて、やっぱり寂しくなる。