一方通行 1
「雄希・・・」









雄「じゃあな。」








呼びかけようとした時、その声に我に返ったのか







無理矢理作ったような笑顔を向け、手を離された。









私の横を取りすぎる彼に、動けなくなる








ただただ、家に入っていくまでの背中を







見つめる事しかできない。





























何で優那なの








何度だって聞く








何で・・・

















































大「あ、凛那。」







前から来てた大翔が、私に気づいたのか








こっちに向かってくる。




























それでも今は、話す気分になどなれない








笑顔で走ってきた大翔に目もくれることなく








素通りすると









そのまま家に入った。





























そのまま、ただいまという事もなく部屋に向かうと








勢いよくベッドにダイブする。



























「はぁ・・・」








あれじゃあ、大翔に当たっただけじゃん








私の醜い心が悪くて









本当は誰も悪くないのに・・・
















近くにあった枕を抱きしめる。



























恋愛とはこんなにも、人を醜くさせるものなのか。


























だったら









「やめたい・・・」








そう思うのに








簡単にはやめられないのが








人の弱い心なのだろう
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