一方通行 1
「・・・よくない。」








昔のこと思い出して、泣いてたし。








そんな姿、見られたくなかったし・・・









大「だろ。」








ポケットから出された左手が、私の右手前に伸びてくる。



















大「帰ろ。」








子供のような笑顔で、手を差し出してる大翔








いっつもこんなタイミングで現れる








一人でいるとどうにかなりそうで









辛くて苦しいとき









事前に知ってたかのように、現れるんだ。





























「なに、その手。」









嬉しさで泣きそうになるのを誤魔化すため、差し出された手を見る。









大「昔から手繋ぐと、よく笑ってたろ。」









昔・・・









ああ、そんなこともあった。









でもそれって、子供のころじゃん





























「昔と一緒にしないでよ。」









大「なに言ってんだ。俺にとっては昔も今も、変わんねーよ。」









大貴は変わらないのに








なんで雄希は変わっちゃたんだろう



























「手汗汚そうだから嫌だ。」









無表情で言いのけると、大翔を置いて歩く。









大「汚くねーよ!お前、俺のこと汚物扱いしすぎ!」









私の隣まで走ってくると、いつものようにギャーギャー言い合う。
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