君に遺された恋
「俺は…エルナーだ。」

そう、ぶっきらぼうに挨拶するのが精一杯で、
落ち着かずにいると父が部屋に来た。

「やぁ、待たせたねトリア。」

「いいえ義父様、ちっとも待っていませんわ。」

「行儀の良い可愛い子だろう?エルナー。大切にするんだよ。」


言葉が出ない。
なんと言ったら良いのだろう。


よろしく…?


いや、違うな…と、言葉に詰まっていると誰かが部屋をノックし入ってきた。


確か…金髪の…魔女だったか何だったか。
顔も思い出せないがまぁ、何か仕事の報告にでも来たようだった。
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