強引同期と偽装結婚することになりました
やっと着いた結婚式場。急いで控え室に向かうとそこには、優木くんのお母さんが待ってくれていた。
挨拶もそこそこに係の人に急かされ、言われるがままドレスに着替える。
「葵ちゃん、本当にありがとうね。あっ、着替えながら聞いて。私ね、昔祐とどう接していいのか分からない時期があったの。周りはまだ、学生だったのに自分はどうして子育てしなきゃいけないんだって。赤ちゃんの祐に当たったこともあった」
「そう、だったんですか」
「そんな時、手を差し伸べてくれたのがおばあちゃんだったの。おばあちゃんは自分が祐を代わりに見ておくからって私に自由時間をくれた。だからあの子はおばあちゃん子というかひいおばあちゃんっ子なの」
鏡に映る私の隣にお母さんの少し、悲しそうな顔が映った。
「祐と離れる時間が出来て、祐をめいっぱい愛してあげられるようになったからおばあちゃんには感謝してる。でもね、だから私もお母さんと同じで祐にあんなおばあちゃんの姿を見せていいのかまだ分からないの。あんなに愛してくれた人が自分のことを分からないなんて・・・」
「優木くんはきっとそれでもいいと思います。優木くんは分かってると思います、今のおばあさんのことも、全部。だから優木くんはきっと後悔はしませんよ」
「ありがとう、葵ちゃん」
そう言ったお母さんの顔には、涙と一緒に少しだけ笑みが浮かんでいて、楽しみにしてるとお母さんはそう言い残し、控え室を出て行った。
挨拶もそこそこに係の人に急かされ、言われるがままドレスに着替える。
「葵ちゃん、本当にありがとうね。あっ、着替えながら聞いて。私ね、昔祐とどう接していいのか分からない時期があったの。周りはまだ、学生だったのに自分はどうして子育てしなきゃいけないんだって。赤ちゃんの祐に当たったこともあった」
「そう、だったんですか」
「そんな時、手を差し伸べてくれたのがおばあちゃんだったの。おばあちゃんは自分が祐を代わりに見ておくからって私に自由時間をくれた。だからあの子はおばあちゃん子というかひいおばあちゃんっ子なの」
鏡に映る私の隣にお母さんの少し、悲しそうな顔が映った。
「祐と離れる時間が出来て、祐をめいっぱい愛してあげられるようになったからおばあちゃんには感謝してる。でもね、だから私もお母さんと同じで祐にあんなおばあちゃんの姿を見せていいのかまだ分からないの。あんなに愛してくれた人が自分のことを分からないなんて・・・」
「優木くんはきっとそれでもいいと思います。優木くんは分かってると思います、今のおばあさんのことも、全部。だから優木くんはきっと後悔はしませんよ」
「ありがとう、葵ちゃん」
そう言ったお母さんの顔には、涙と一緒に少しだけ笑みが浮かんでいて、楽しみにしてるとお母さんはそう言い残し、控え室を出て行った。