強引同期と偽装結婚することになりました
むかーっ。なんだ、その態度は。なんで逆ギレされなきゃいけないのよ。

挙句にまだ携帯を離さないし、そんなんでよく社会人になろうと思ったな。


「あのね、迷惑かける、かけないじゃなくて常識でしょ。勤務時間内なんだよ、今は」


「葵、もうやめとけ。何言っても無駄だから」


優木くんの静止も耳に入らない。本当に、本当に腹が立つ。

元々、私たちの結婚をバラしたり疑いを掛けていたことからイライラしていたけれど、仕事もろくにしない。敬語もちゃんと使えない。

その上、勤務時間内に携帯をいじるなんて許せない。


「別にオレ、辞めてもいいっすもん。ここが第一志望ってわけでもなかったし、決まってたとこに内定消されて入ったもんっすしね」


「そんなの関係ない!あなたがうちの会社を第一志望にしていなかったからなんて社会人には関係ないんだよ。あなたは給料泥棒になりたくないって分かってるじゃない?辞めてもいいとか言う前に内定消した会社なんかよりここで働いてよかったって思える仕事をしなさいよ」


しまった。言い過ぎた。また暴走した。言い返してきてた柳くんからも何の反応もない。優木くんも黙っている。


でも、我慢出来なかった。きっと今言わないと柳くんはずっと、ダメなまま。第一志望に内定を消されてたまたま受かったtrabitでなんとなく働いて、下手したら辞めてしまうかもしれない。
< 142 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop