強引同期と偽装結婚することになりました
「優木くんの車だったんだ、この車」
「なんか、ごちゃごちゃしてるけど気にするなよ」
優木くんの車は青色のミニバンのファミリーカー。この車は駐車場の車の中で唯一のファミリーカー。誰のものかなとは思っていたけれど優木くんのだったんだ。
後部座席にはチャイルドシートまでつけてあるからてっきり家庭持ちの的場さんのものだと思っていた。
「よし、車で聞いてもいいけどせっかくだし、気分転換にドライブでも行くか」
シートベルトを締めて、音楽を掛けながら若干の戸惑いを感じる私の頭をまたポンポンと撫でると優木くんは車を走らせた。