強引同期と偽装結婚することになりました

「優木くん、話があるんだけどいいかな？」


今日は久しぶりに定時上がりが出来そうで優木くんを誘った。優木くんは、柳くんを辞めさせる覚悟で問い詰めると言っていたけれどやっぱりそれはして欲しくない。


「ごめんね、せっかくの定時上がりだったのに。みんな、待ってたかな？」


「大丈夫。もう俺は、いなくても平気だって言われたし」


「本当、優木くんの家族はみんな温かくて優しいもんね」


結局、どこで話すか決まらなくてうちでご飯を作って食べたあと、話をすることにした。食後、コーヒーを二人分淹れて向かい合わせになって座った。


「優木くん、今日話したかったのはね・・・」


「柳のことだろ」


間髪入れずに返ってきた返事。うんと頷くと彼は、また黙り込んでしまった。


「やっぱり、柳くんはわざとじゃなかったんだと思う」


「・・・わざとじゃなければやってもいいことなのか？」


「それは、ダメだけど・・・。でも、悪気があったわけじゃないんだと思うの。多分、本当に忘れてただけで」