強引同期と偽装結婚することになりました
「あーっ、緊張した」

お父さんとお母さんが快く快諾してくれて、挨拶は無事終了。その後はお母さんの作ってくれていたご飯をみんなで食べた。


私の好きなお手製春巻きや筑前煮。更には神戸に帰ってくると必ず食べたくなるイカナゴの釘煮。


「こ、これなんですか?」


優木くんはイカナゴの釘煮を初めて見たらしく、興味深そうに口にすると、とても気に入ったみたいでご飯をお代わりまでしていた。


優木くんはやっぱり、話し上手なのと聞き上手であっという間にうちの家族のお気に入りに。本当にすごいと思う。



「晩ご飯まで時間あるし、せっかく来たんやから散歩でもしてきたら?」



ご飯を食べて用意してくれていたケーキを食べたらお腹いっぱい。

優木くんにお金を渡されたけれどやっぱりそれを使うことは出来なかった。

それに、忙しかったこともあってここ数日はちゃんとご飯を食べられなかったから久しぶりの食事で幸せ。

そして、お母さんの言葉で二人で外に出てくると優木くんは緊張から解放されたと言わんばかりに大きな伸びをしてみせた。
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