強引同期と偽装結婚することになりました
「優木くん、本当に、本当にありがとう」
「これでもう逃げられなくなったからな。でも、本当久しぶりに緊張した」
「めっちゃ、かっこよかったよ」
少しだけ前を歩いていた優木くんに歩幅を合わせるように近づいて何気無く言った言葉なのに優木くんの耳が赤くなっていく。
かっこいいなんて普段、言われ慣れてるはずなのに。
「それ、いいな」
「それ?」
「葵の関西弁。こっちに来てご両親や弟くんと話してるときに無意識に出ててなんか新鮮で可愛らしいなって思ってた」
「か、からかわないでよ」
私は優木くんみたいにそんな褒め言葉言われ慣れてない。だからからかわれたとしても動揺して立ち止まってしまう。
さっきとは、逆に今度は立ち止まった私に合わせるように後戻りしてくる彼。
「なぁ、今度から二人のときはそれで話してくれよ」
「い、嫌だよ」
「ちぇっ。じゃあさその『めっちゃ』それだけでいいからたまには使ってくれよ。よし、じゃあ葵が今、俺に言いたいことは??」
「・・・めっちゃ、恥ずかしい」