強引同期と偽装結婚することになりました
「ちょっと聞いてる?優木くん。また勝手に決めて行動したでしょ?私、聞いてないよ。優木くんが私の補佐なんて」

「イカナゴ美味かったな。あれはほんと飯、何杯でもいける」

「話、そらさないで」

結局、仕事中は聞く暇もなく、帰社しようと出たところで優木くんにイカナゴが食べたいと捕獲された。


一応、人の目もあるし、桐島さんに見つかったらまた何を言われるかと思ったけど、桐島さんは定時で帰社していたから大丈夫なはず。

そして、優木くんの車に乗せてもらい、ようやく問い詰めたのにまだとぼける彼。


「大体、いつも肝心なことは言わないなんてこれから先、不安だよ」


「だからそういうのは言いたくないんだって。でも、葵が不安だって言うなら言うようにする。でも、今は腹減ったから帰ったら話す」

俺も食べるからとスーパーで食料品を買ってもらい、私の家で話し合いを兼ねてご飯を食べることになった。


いい加減、慣れろよと言われるけれどお金を出してもらうときはやっぱり恐縮してしまう。
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