強引同期と偽装結婚することになりました
「なんだよ?あっ?なんで俺が買って帰らなきゃいけないんだ?分かったよ。じゃあ今から連れてくから」

「電話、お母さん?」

「悪い。チキン買ってこいって。うち、祝い事のときはチキンって決まっててさ。それと、もう連れてこいって言われた」

さっきまでの真剣なムードは中断。急いで車を走らせる優木くん。好きな人を聞ける絶好のチャンスは肩透かしを食らってお預け。

さすがに私から教えてとは言いにくい。
結局、聞き出すことは出来ず、頼まれたチキンを買って優木くんの家に向かうことになった。


「とりあえず、着いたけど驚くなよ」


ここだからと連れて来られた優木くんの家は3階だての一軒家。白い外壁の家で玄関前には自転車が止められてある。


あまりキョロキョロとするのも失礼かと思ったので優木くんについて行くことにした。
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