強引同期と偽装結婚することになりました

「どうしよう。一睡も出来なかった」

夜中まで物を投げ続けていたら隣から苦情が来た。さすがにすみませんと謝ってそれはやめたけれど当然、気は晴れない。おかげで部屋は散らかってぐしゃぐしゃ。


でも、掃除する気にもなれない。これから、どうやって過ごせばいいのか、今週末の帰省はどうすればいいんだろう。


真っ白な頭の中には不安が押し寄せてきて、それがどんどんと膨らんで涙も鼻水も止まらなくて検索するとマイナスなことしか書いていなくてまた大泣き。


でも、またお隣さんに迷惑をかけて怒られるのは嫌だから布団を頭から被って言葉にならないことを発しながら泣き喚いていたら朝になっていた。


それでも今日は仕事。休むわけにはいかない。とりあえずシャワーをして気力を振り絞り、身支度を整える。ぼんやりした頭で食パンの袋に手をやるとまさかの残り一枚。

そうだ、週末には帰省するから買い物は最小限に済ませてた。いざとなればコンビニがあるからって。でも、今の所持金は5000円。いつまでも泣いてる場合じゃない。

貯金も全てなくなった。いっそ、全部お母さんに話して実家に帰ろうか。


「ダメだ。やっとやっと企画が通ったのに。初めて認めてもらえたのにこんなことで逃げたくない」