強引同期と偽装結婚することになりました
「悪い、ちょっと頭冷やす。今日も残業だろうけど話したいから遅くなっても時間作ってくれないか?」


「うん、分かった」


二人とも、ようやく帰社できるのは夜、9時を回ってからだった。

あの後の優木くんはなんだかすごく考え込んでいるような態度でそれが私には嫌な予感を感じさせられずにはいられなかった。


とりあえず、夜ご飯を食べようと会社の近くでお弁当を買って私の家で食べることにした。

でも、会話はなくて、無音が嫌でテレビを点けてみたけれど逆にそれが雑音にしか聞こえず、消して二人、黙々と食べ続けた。


「葵、ちょっといいか?」


片付けをして、洗い物をしているとソファに座っていた優木くんから呼ばれた。何を言うのかなんとなくわかるからとても怖いけれどそっと彼の隣に座ることにした。
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