強引同期と偽装結婚することになりました

私の電話の声が大きかったのか、部署に戻ろうとしていた優木くんが再び私のところに戻って来てくれた。


「お父さん、結婚式出ないって」


「えっ？なんで？」


私が答えられずにいると、優木くんはすかさず、私に借りると手にしていた携帯を取り、お父さんに電話を掛けた。


「あっ、すみません。祐です。今、葵さんに話を聞いて・・・」


優木くんがお父さんと話をしている。お父さんの言葉に昨日、自分でも感じた気持ちを再確認させられた。


「お前ももっとやりたいことあるんちゃうか？」


美由紀ちゃんの結婚式はすごく素敵だった。綺麗なウェディングドレス、ピンクの可愛らしいカクテルドレス。たくさんの人たちの祝福に、美味しい料理。


みんなの笑顔が眩しくて、大変だったけれど結婚式をして良かったと言っていた美由紀ちゃん。私も結婚するならこんな結婚式がしたい。ずっとそう思っていた。


「・・・はい。分かります。その通りだと思います。はい、分かりました。失礼します」


「・・・優木くん」