陽だまりのなかの僕ら


「ありえないよ、そう、ありえないから・・・」

・・
藍実は、あの言葉を言い終わると、そのままぱたりと眠ってしまった。


そして私は、頭を冷やすために、洗面所へ来ている。


すっかり目が覚めてしまった。
どうしよう。私、おうちゃんが好きなんだ。


だから、あの時も、あの時も、・・・。


あれは全部、やきもちだったんだ。

ああ、私ったら馬鹿みたい。

おうちゃんが、私みたいなのを好きになってくれるはずもないのに。
やっぱり私の心は汚れてる。こんな余分なことしか考えられないなんて。


そう思いながら、水道から水を出し、顔を洗った。



「・・・そういえば、明日は休みだっけ・・・」

ふとそんなことを、思い出す。

あれ、じゃあ、藍実の委員会の集まりって、嘘じゃない・・・?

ああ、騙されちゃった。







今日は、一日がすごく長かった。

時計を見ると、もう1時をまわっている。


< 39 / 107 >

この作品をシェア

pagetop