地獄の果てでキミを愛す
「桜……口を開けろ」

「……いやっ……」



箸を持つ俺の手が僅かに震えた。

監禁を初めて2週間が経った。



桜の口から出る言葉はいつだって



嫌だ、離して、近寄らないで……。



そういった俺を拒絶するものばかりだった。




だが哀しくはない。
俺はそうなると分かってて
こうやって桜を傍に置いているのだから。



「早く食べないと無理やり口に押し込むぞ」

「……」

「いいのか?
この前みたいな事になるぞ」



桜は俺の言葉を聞いた瞬間
体を小刻みに震わせた。


でも口を開く事なく俺から目を逸らす。
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