地獄の果てでキミを愛す
愛してる女の首には真っ赤な首輪。
それに備え付けられた鎖がコイツの行動範囲を制限していている。
動けてこの部屋の中だけ。


でも今のコイツには……。
歩き回る気力すらないのかもしれない。



1週間の間……
ずっと俺の下で泣き叫んでいたのだから。




「桜……あまり暴れるな」




優しく声を掛けたつもりだった。


でも、ピクリと揺れる肩。
小刻みに震える体が俺の頬を緩ませる。



あぁ……。
なんて可愛いのだろうか。



恐怖に満ちたその目が俺に向けられる。
それだけで幸せだ……。
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