地獄の果てでキミを愛す
「あ、ありがとう」

「いや」


飲み物を淹れにキッチンに行ってくれたのか。

そう思った瞬間

体から力が抜けた気がした。


心の底からホッとする私を不思議そうに見ながら
コーヒーを啜る直哉。


私もそれに倣って
ホットミルクを啜った。


「んー美味しい!」

「よかったな」


すぐ隣に座っていた直哉に
頭を撫でられれば心が高鳴る。


穏やかで温かい
幸せの時間。

永遠にこの時間が続けばいいのに。


心ではそう思っていても
私は何処かでは分かっている。


きっと、またすぐに
直哉に異変が現れる。


何故だかそう思えて仕方がないんだ。
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