もっと、キスして
「ねえお金返すってば。」
「いいから黙って奢られとけ。」
歩きながらそんな会話をする。
さっきのカフェを出るとき、会計お済みですよとか言われたんだよね。
店に入ったときに桐谷先輩が払ったって。
「だって悪いじゃん。」
「乗れ」
気づけば目の前には二人乗り用の大型バイク。
桐谷先輩は股がってエンジンをかけた。
なんか画になる風景だななんて思ってしまった。
「かっこいいねこのバイク。」
「バイク詳しいのか?」
「え、ううん、全然。ただ純粋にかっこいいなって思っただけ。」
いいバイクなのかな?
「そうか。…ほら。これかぶれ。」
メットを渡されたので股がってから被る。
「しっかり掴まれ」
どこに。
私がどこを掴もうか迷った末桐谷先輩の服の裾を掴むと、
「振り落とされてぇのか。」
って両腕をお腹まで持っていってくれた。