もっと、キスして
「広い。」
「広すぎなんだよ。」
心底迷惑そうな声を出す。
見たこともないような広いダイニングキッチン。
部屋の右側のスペースにはみんながくつろげるような大きなソファ。
机を隔ててめちゃくちゃ大きなテレビ。
左側には対面式キッチンと食事用のテーブル。
でもなんでだろう。
一人暮らしって感じがしない。
「なんか飲むか。」
「あ、お茶とかってあるの?」
「ああ。」
可愛らしいコップに烏龍茶を入れて持ってきてくれる。
ソファに座るように促された。
「ねえ、先にずっと気になってたこと聞いていい?」
「何だ」
「龍青の金髪って元々なの?」
龍青は少しびっくりしたような顔をする。
「よく分かったな。」
「なんとなくだよ。やっぱり元々なんだね。
あまりにも綺麗だったからもしかしたらって思ってた。」
「俺の親、母親がアメリカ人なんだよ。
だから親が自由奔放でさ。
海外出張はポンポン引き受けるわ海外旅行は好き勝手行くわ。
2年前の冬に会社の拠点向こうに移すとか言いやがったんだよ。」
何故かそう語る龍青は優しく笑っていて。
「なんか楽しそうだね。」
「何やらかすか分かんねぇから見てて楽しいよあの親。」
「そうなの?」
「この家も勝手に買ってるし。
でけぇっつったんだけど一年に一回帰ってくるときにこの方がいいからって言って聞かなかったんだよ。」
「だから一人暮らしな感じがしなかったんだね。」
可愛らしいコップも、敷いてあるカーペットも、レースのカーテンも。
絶対一人暮らしならこんなのつけないでしょって思うものばっかり。
きっとお母さんの好みに合わせたんだろうなって考えると龍青が可愛く見えた。
「何ニヤついてんだ。」
「えー?別に。可愛いなあって思ってただけ。」
「人のことバカにしてんのか?」
「してないし。」
意味わかんないとこで突っかかんないでよ。