もっと、キスして
*RYUSEI’S SIDE*
「あいつ絶対やべえな。」
“また、学校でね。”
泣きそうな声で泣きそうな顔で、そういった凛が頭から離れなかった。
バイクを飛ばして交番に向かう。
「龍。久々だなーっ。
大きくなって。」
「いちいちうぜーんだよばーか。
てかお前、虐待してる親捕まえれねえの?」
「…捕まえるって。なんで。虐待してるって証拠は。」
俺らが高校に上がりたてのころはほんとそこらじゅうで喧嘩してて。
よくこいつに怒られた。
でも俺らはいつも正当防衛だっつって意地張って謝んなかった。
「本人が言ってた。」
「あのなあ。」
「分かってんだよ俺だって馬鹿じゃねえ。」
そんなんじゃ証拠にならないことも、
逮捕状がない限りまず警察署に連れていくことすら任意だってことも。
それと民事不介入とかなんとか言って、
いわゆる“家庭の事情”には警察は簡単には踏み込めないことも。
「役たたねえなまじで。」
「その子が、今虐待されてるんだってその場そのときを警察が見れば現行犯で逮捕できるけどな。」
「分かってる。」
ただ、凛は。
その行動をどう思うのか。
一歩間違えれば凛が殺される。
危険だと思った。
「俺がドアを突然蹴破ればいいのか?」
「建造物損壊で間違いなく少年院いきだな。」
「別にいい。
あいつの命かかってんだ。」
「やめとけ。逆上した親が娘を殺すケースがないわけじゃない。」
「じゃあどうしろって言うんだよ。」