桜道【実話】
プルルルル~プルルルル

自宅の電話が鳴った。



あたしは

いつの間にか眠っていた。



【もう…年が明ける…】



《もしもし?》


「もしもしタバちゃん?

起きてた?」


今日

2回目の雛からの電話。


《どしたの?初詣は?》


「今、神社なんだけど…

ナオくんが拓ちゃんに

電話してきてさ!

タバちゃんバイト辞めた

んだって?」



昨日、病院の帰りに

バイト先に行って辞めさ

せてもらった。



《ぁ…うん…》


「ナオくんバイト先行った

んだって!ナオくん薄々

タバちゃんが避けてんの

気付いてるみたい…

とにかく話したいって!」



【ズキン!!…ナオ】



ナオが気付いてる…



【ごめんね…グスン】



ナオはまだ何も知らない。



知れば…きっと

あたしから離れるだろう。




だから…その前に

あたしから

サヨナラしたい――――




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