桜道【実話】
―ブッブッブッ―



【ビクッ!!】



雛との電話を切ったと

同時にベルが震えた。



【ナオ……ズキン

もう…あたし…ナオには

連絡しないから…グスッ】



本当だったら今ごろ

ふたりで参拝の列に並ん

でいただろう。




―ブッブッブッ―


あたしの

ベルは何度も震える。



【わかって…グスン

お願い…わかってょ…】



あたしは自分の身勝手さ

が嫌になる。




プルルルル~プルルルル

プルルルル~プルルルル



《もしもし?》


「ごめん!あたし…」


《あっ…雛…》



3回目の雛からの電話。



「またナオくんから電話あ

ってさ…タバちゃんの

連絡ずっと待ってるよ?

このままだと自然消滅は

無理なんじゃないかな…」



【ズキン…ズキズキ】




自然消滅…



そんな

都合のいい話は通らない

のだろうか――――





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