悪魔に取り憑かれました。
時が止まったみたいだった。


頭がなかなか理解しようとしない。


今、先輩が確かに……。



うそ!?


どんなに欲しかった言葉だろう。

好きで好きで、仕方なくて、まさかこんな日が来るなんて思ってもなかった。



「わ、私…」


…あれ?


なんで?


なんで『私も好きです』って言葉が出てこないの?


そう言えば、先輩と両想いなんだよ…?



『真珠!』


なんで?

なんでこんな時にダイヤの顔が思い浮かぶの……!



「私…私……」

「いいよ、無理に返事しなくても」



そう言うと、白金先輩はゆっくり離れた。


「真珠ちゃんの気持ちがはっきりした時に、返事して。俺はいくらでも待つから」


そう言って、にっこり笑った。


私が好きな笑顔。



「先生に怒られるから、俺はそろそろ教室に戻るね。お大事に」


そう言って、先輩は保健室を出て行った。



ベッドに寝ながら、さっきのことを思い出す。


あんなに好きだった先輩に告白されたのに、すぐに返事ができなかった。


なんでダイヤの顔が……?

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