悪魔に取り憑かれました。
ちょっとびっくりしたけど、身を委ねて、そっと目を閉じた。



夢の中にいるみたい。



キスって、こんな幸せな気分になれるんだ。


また、ダイヤは私に幸せをくれたな。



ダイヤが一層強く、私を抱きしめる。


私も負けないくらい、ダイヤを抱きしめた。



ダイヤが消えてしまわないように、強く強く抱きしめた。







何となく、ダイヤの抱きしめる力が弱まってる気がする。



私は気づかないフリをした。



次の瞬間、身体がガクンと前に倒れかかった。



目を開けると、ダイヤはいない。



目の前の空気がキラキラ光っているように見える。



空を見上げる。


空はオレンジ色になりかけていた。


すごく、穏やかな気持ちになる。



「ありがとう、ダイヤ」



何故か、笑顔になれた。


でも、やっぱり涙が溢れ出た。




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