悪魔に取り憑かれました。
colorless-カラーレス-

返事

「ごめんなさい」



私は深く頭を下げた。


申し訳ないのと、先輩の顔を見れないのとで。



昼休み、白金先輩を学校の中庭に呼んで、自分の気持ちを正直に伝えた。



「好きな人がいるんです」



白金先輩は何も言わない。


私は恐る恐る顔を上げた。


先輩は、無表情だった。



「あの、先輩…」


「その人と付き合ってるの?」



その質問に、少し戸惑ってしまう。



「…その人とはもう会えないんです」



白金先輩は一瞬、目を見開いた。


びっくりしたんだろうな。



「それでも、好きでい続けるの?」



…分からない。


ダイヤはもう、この世にはいない。


想い続けたって、もう会えないんだ。



でも…。



「今は、この気持ちを大事にしたいんです」



まだ、ダイヤのこと、忘れるなんてできないよ。
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