アメトムチ



「いやいや。マジうけんだけど」


言葉とは裏腹に愛想笑いすらもしてくれない玲香を横目に机に突っ伏す私。
クリスマスにお正月、楽しいイベント尽くしな冬休みも明け新学期。私はあのクリスマス以来、一向に晴れることない気分のまま席替えしたばかりの窓際の席でどよんとした空気を纏う。


「 ちょっとは慰めてくれてもいーじゃん」

はぁ、と止まる事のないため息を吐きながら、” あの日の事 ” を玲香に愚痴る。
けど全くといっていいほど慰めてもくれない玲香はそれどころか「 あいつの事嫌いだったし別れれてよかったと思うけど 」 と傷心真っ只中の私に言い放つ。

そう。
あの聖なる夜、私は大好きで大好きで仕方なかった彼に振られたのだ。


< 3 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop