アメトムチ
理由は至って単純。
” 好きな人が出来た ” からだ。
漫画やドラマでよくある、駄目なところがあるなら治すから!や、少し距離を置いてお互いの大切さを見つめなおしましょ、などとオブラートに包まれた表現なんかじゃない。
『他に好きな人が出来た。っていうか、もう付き合ってる。だからもう俺のことは忘れて』と言われたのだ。
イルミネーションに彩られた街中で、新しい彼女ととのデートが控えていたのか、いつもよりお洒落した大好きだったはずのわたしの彼に。
そんな悲劇を誰が予想しただろうか。
いや、悲劇だと思っているのは私だけなのかもしれないが。
「私のこと好きっていってたくせに‥‥」
「あめ女々しい」
「だってだって。 女々しいってそりゃ女々しくもなるよ‥‥」
「 だから、そんな男こっちから願い下げだっていってんの 」
「‥‥‥玲香みたいに割り切れる潔さは生憎私は持ち合わせてないの‥‥」